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KOBE Diary

神戸から、すべての、ひとりのあなたへ
July 03

同志





同志。

いい言葉だ。

その瞳は、

まっすぐにぼくを見つめ、

未来まで見通す、

深い清らかな泉だ。

君はただ黙って、

ぼくを凝視している。

よくぞ生まれてくれた。

ありがとう、

わが同志よ。

この世に誕生して間もなくて、

まだ50センチにも満たないからだだが、

君は同志だ。

ぼくらの生を未来に手渡すとは、

君に手渡すということだ。

人類とは、

ぼくと君をつなぐ、

つまり過去と未来を結ぶ、

固い絆のことであり、

その広がりのことだ。

君のどのような未来を手渡すのか。

それはぼくたちに委ねられている。

ぼくは迹であり、

君が本だ。

ぼくは君のために存在しており、

君こそ未来だ。

同志よ。

君はまだ生まれたばかりだが、

その歴史を、

どうか人類として生きてくれ。

われわれ人類は、と、

君こそ語る人であってくれ。

わが同志よ。




July 02

生命史




私には、地球誕生以来の歴史が眠っている。

一個の人間の個体史とは、

地球誕生以来、今日までの、

生命体の歴史そのものだった。

まだおぼろげだが、

やっと、そう捉えることができた。



ある日、雌雄ふたつの細胞が出会い、

「ぼく」という、

固有の生命体が発生した。

そのまだ「ぼく」とは言い難い微細な細胞は、

見る間に増殖し、「人間」に近づいていった。

それはある法則によって定められていた。

そうとしか言いようがない。

ぼくは自ら生まれた。

母のお腹のゆりかごで、

ぼくは夢見つつ、

人類誕生までの歴史を終えた。

産道を通り抜ける一瞬は、

母子ともに苦痛に満ちていたが、

それでもぼくは気絶する一歩手前で、

産声を上げた。

それからのぼくは、

類人猿から人類への、そして、

人類の歴史を生きはじめることになる。



ぼくがぼくの個体史を検証すること。

それはそのまま人類の歴史を見ることだ。

そう閃いたとき、

人類の歴史は、

とつぜん色彩に満ちた情景となって、

ぼくの中で躍動をはじめた。

古代も中世も近代も現代も、

それはもはや抽象的な観念の世界ではない。

それは生き生きとした、

現実そのものだ。

人類とは、ぼくそのものだ。

人類史とは、ぼくの個体史そのものだ。

未来に受け継ぐべきものが、

そこには確かに存在している。

過去と未来は、

こうして生々しく、

ぼくの中で結ばれた。

ぼくは、人類の未来に向かう。



ぼくは、真実にたどり着きつつある。

人類史とは、民衆史のことだ。

民衆とは、

無名性を生き続けてきた、

圧倒的多数の人間存在のことだ。

支配者の歴史など、もうどうでもよい。

ぼくは、この民衆史を紐解くのだ。





July 01

戦士





このからだを守ろうなんて、

とんでもない間違いだった。

このからだは戦うためにあるというのにだ。

こんちくしょうめ。

痛みなんぞに負けてなるか。

たいしたことではない。

戦闘体勢を組み直すぞ。

だいたい痛みそのものが、

敵にやられた証拠だ。

不意をつかれて、

小傷を負ってしまった。

安穏な日々がしばらく続いて、

ぼんやりしていたせいだ。

おれは幸福だなんて、

世界の現実を忘れかけていたせいだ。

攻めの戦いを忘れていた。

これはおれの怠慢だ。

だがこの痛みは、

おれに再び闘志を燃え上がらせた。

待っていろ。

目にもの見せてやる。

世界は光と闇の戦場だ。

戦闘は永遠に続く。

光の領土を広げるのだ。

おれは戦士だ。

そう生まれて生きてきた。

必ず勝つからな。

見ていろ。





June 30

誕生




誕生!

なんてすばらしい言葉なんだろう。

ひとりの人間が、

穢れを知らぬいのちのままに、

凛々しく、瑞々しく、

産声を上げたのだ。

誕生!

それはひとつの宇宙が、

生まれたということに等しい。

君よ。

まだ見ぬ君よ。

これから君に押し寄せる、

荒波や障壁について、

ぼくは早くも憂える。

ああ、でも君は、

きっとぼくたちよりも美しい。

きっとぼくたちよりも逞しい。

ぼくたちの世代は絶望との戦いだったが、

君の時代は澄んだ大空に開かれている。

君にはぼくたちのような苦労はない。

それはぼくたちが戦い破ったものだから。

それだけは誇り高く、君に伝えよう。

油断は大敵だけれど、

その澄んだ瞳のままに、

必ず成長してくれと、

ぼくは願わずには入られない。

ぼくはまだ戦うから。

未来のために戦うから!








June 28

囚われ





過去に囚われる者は、

過去から学ぶことはない。

だが何と多くの人々が、

過去に囚われていることか。

財を成した過去。

名を成した過去。

人をあごで使っていた過去。

それらあまたの過去が、

亡霊となって君の心に住み着いている。

だが考えてみるがいい。

それらの過去は、

みな卑小なものだ。

ちいさな世界で他人と比べた、

どんぐりの背比べだ。

巨万の富を築いた者でさえ零落する。

世界に名を轟かせた者さえ悶死する。

それらの者たちと比べては、

君の過去の栄光なんぞ、

ケシ粒ほどのものだ。

過去の微々たる権威や権力。

それがどうしたっていうんだ。

だが人は、

なぜ現在がこうのかを知ろうとしない。

過去は未来を構築するためにあるというのに、

君の失敗を棚に上げたまま、

失敗から学ばない。

そうして過去に囚われたまま、

誰にも相手にされなくなり、

けっきょくは他人を呪い批判し、

ますます偏屈になり、

孤独になっていく。

憐れだな。

愚かだな。

だが君は、

そうして死んでいきたいのか?





June 27

イメージ



ぼくは地球の上に立っている。

この地球は太陽の回りを自転しながらまわっている。

太陽系は、銀河系の周辺を回っている。

そのような銀河は無数にある。

イメージできるだろうか。

銀河系の中では、

ひとりの人間は電子ほどにも小さな存在だ。

地球の回る音を聴こう。

耳を澄ませば聴こえるはずだ。

人間にはイメージする力がある。

この空間の立体的で無限の広がりを、

この時間の永遠性を。

さらに自分の細胞のひとつに目を向ければ、

多次元に折りたたまれようとする動きさえイメージできる。

君よイメージせよ。

イメージの豊かさは、

君じたいの豊かさだ。

君よイメージせよ。

未来を。

人類の行く末を。

人類の宇宙探査は、

100年後の火星入殖さえ視野に入れている。

未来に渡す知識と知恵のバトンを、

今、創造しようとしている。

そのような未来をイメージする力が、

人類の文明のあらゆる場所で、

連携し、連帯するとき、

それが人類の遺産となるだろう。

それこそが、

人間の仕事だ。

あらゆる現場で、

君のいる場所で、

人間が連携し、力強く連帯するとき、

ぼくらはその偉業を成し遂げつつあるんだ。

人類の未来は輝くんだ。





June 26

醜さを暴け!




政治を醜くしているのは、

政治家だけのせいではない。

それを視抜く眼を持つわれわれの問題でもある。

野党第一党とかいう彼の政党の、

リーダーたちの顔の醜さを見よ。

人格は顔に現れる。

虚言を吐く者の顔は押しつぶれている。

彼らは権力という甘い蜜に引き寄せられて、

徒党を組む野合集団に過ぎない。

「金」と「権力欲」という、

政治の醜い部分を本質として受け継ぎながら、

それを「友愛」とかいう美辞麗句で隠している。

彼らの政策には実効性がない。

彼らの背後には「特定団体」だの「組合」だの、

右から左までの集票団体が控えている。

それらの顔色が気になるから、

本当に必要な政策は打ち出せない。

彼らは、数としての「大衆」を見ているが、

個々の顔を持つ「民衆」を見ていない。

実効性を伴わない政策を掲げる野党は、

他にも腐るほどある。

顔の醜さは、美辞麗句では隠せない。

彼らの無責任さは、民衆を不幸にする。

「所詮、人間は色と欲のかたまりだよ」と、

卑俗な週刊誌は高笑いをはじめている。

醜さの根源には欲望がある。

断じて醜い連中をのさばらせるな!

それはわれわれ民衆が、

高貴であるかどうかにかかっている。

世界はつねに醜悪と高貴の戦いだ。

政治を監視せよ!

醜さを暴け!

ぼくはいつもそう叫ぶ。




June 25

人間原理




宇宙には中心がない。

そうして実は、

私にも中心はない。

私は実在していると確かに信じられるが、

実在を証明するものはない。

あなたという実在を中心に、

宇宙が運行しているように捉えられるが、

私という実在を中心に、

宇宙が運行しているとも捉えられる。

だとすれば、

あなたと私が捉える宇宙は異なっている。

宇宙という実在がひとつしかないとすれば、

その捉え方には矛盾がある。

それはどういうことなのか。

すべては相対的に実在している、

と考えれば説明がつく。

私が実在しなければ、

あなたの実在はなく、

あなたが実在しなければ、

私の実在はなく、

つまり、宇宙は実在しない。

難しい話ではない。

すべての実在は、

仮にそう現れているだけだ。

ここでいう「実在」とは、

仮にそう見えるもののことだ、

と、いちおう限定する。

宇宙にも私にもあなたにも、

共通する法則性がある。

仮にそう見える私ではあれ、

その法則性を感じ確かめることができる。

そのとき私はほんとうの実在者になる。

だからこそ私は、

この世界を変革することが可能なのだ。

これが人間原理だ。







June 24

愚かさ




愚かな者は、

自分が見えない。

自分を知ることはできない。

修羅の心を抱いたまま、

他者を罵ることでしか、

自分を正当化できない。

君はそうして、

自分の可能性を押し潰してる。

ぼくはそんな君を憐れに思う。

そんな君に涙する。

ちいさな池に浮き出たちいさな岩の上で、

オレはあいつよりも偉いのだと叫んでいる。

そうして自分を落とし込めている。

叫ばなくても人間はほんらい尊い。

君はその真実にまだ触れたことがない。

その憤りはよくわかるが、

憤りで眼前をふさぐな。

その憤りは、

ほんらい巨悪に向けられるべきものだ。

勘違いが君を不幸にしている。

君は世界は暗いと叫ぶ。

だがそれは君が眼を塞いでいるからだ。

ぼくは幾度も君に指摘するだろう。

君が愚かなままいるはずがない。

ぼくは諦めない。

人間を信じるとは、

そのようなことを言うのだと、

ぼくは思う。





June 23

生死






どう生きるかとは、

どう死ぬかということだった。

どう死ぬかとは、

どう生きるかということだった。

生死は等しい。

今日に至るまでぼくは、

死の恐怖から逃れることができなかった。

それはけっきょく、

じゅうぶんに生き切っていない証だった。

死は恐れることはない。

なんてことはない病の兆候を前に、

とつぜんそう覚悟した。

すると、新しいぼくが立ち現れた。

さあ、生きよう。

これからだ、本物の人生は。

新しい人生がはじまったのだ。





June 22

民衆






民衆には3種類ある。

古代民衆は、群れとして存在した。

近代民衆は、自意識を獲得した。

そして現代から未来にいたる民衆は、

その上で、

民衆相互の、

時間的空間的な、

すなわち4次元的な、

地球的連帯を獲得するだろう。

民衆。

その無名性の大地。

「私は民衆である」というとき、

「私」はその無名性を生きる存在となる。

現代の民衆にとっては、

名前などどうでもいい。

名を馳せることにさほどの意味を見出さない。

有名であることに意味があるとすれば、

それは民衆の幸福に直結しているときだけだ。

生きる本質に目覚めた者は、

生きることそのものに、

歓喜を見出す。

その存在じたいが、宇宙と等価なのだ。


この民衆の連帯には2種類ある。

その1つは、時間軸での連帯だ。

現代民衆は、賢明に過去から学ぶ。

時間軸での究極の連帯とは何か。

それは、師弟の連帯だ。

師から弟子へと、

生命は受け継がれるだけではなく、

未来に渡るたびに、

より深く、より新鮮に、進歩する。

2つめの連帯は、空間軸での連帯だ。

それは当面は、地球を覆う要求に満ち、

不信の時代から信頼の時代へと大転換を成し遂げ、

やがては宇宙の、

他の知的生命体との連帯も模索する。


これがぼくの未来予測だ。

この予測は間違ってはいない。

ぼくの眼は、未来にある。






June 21

恵みの雨

 
 
Stars at the Galactic Center
 
 
 
雨だ、雨が降ってきた。
 
明日が晴れたらいいなと思う人もいるだろうが、
 
そんなに多くは降らないから、
 
ちょっとは我慢してくれないか。
 
6月の雨は恵みの雨。
 
大地は潤い、
 
山も田畑も木々も草花も、
 
この雨を待っていたんだ。
 
ぼくらは水の惑星に生きている。
 
ぼくらは水でできている。
 
水がなければ地球は干上がる。
 
空梅雨が心配で、
 
最近の地球は変になってきたと、
 
思う人も多いだろう。
 
地球は熱を上げはじめ、
 
北極海の氷は解けはじめ、
 
そこに眠る地下資源を狙い、
 
新たな航路や地下資源を独占しようと、
 
一方で温暖化阻止といいながら、
 
各国は利害をむき出しにしている。
 
地球の100年先よりも、
 
目先の利権が最優先というわけだ。
 
なんとおろかな人間たち。
 
それが世界をリードするものたちの仕業だとは。
 
雨よ降ってくれ。
 
君を待ち望む生物たちが喜んでいる。
 
地球を冷やし、
 
ぼくらに潤いを与えてくれ。
 
6月の雨は、幸福の雨。
 
できるだけ穏やかに大地を濡らせ。
 
そうでなければ、
 
美しい夏空は楽しめないのだ。
 
梅雨のおしまいには、
 
激しい雷雨が夏の扉を開ける。
 
その地球の壮大なエネルギーを、
 
ぼくはいつも感動の面持ちで見つめている。
 
雨よ降れ。
 
ぼくたち生きとし生けるものに、
 
活力を与えてくれ。
 
雨によって、ぼくらは生き返るのだ。
 
そうして新しい夏を迎えるのだ。
 
明日のために、
 
雨よ降れ。
 
未来を豊かにするために、
 
雨よ降れ。
 
そうして地球を守れ。
 
雨よ。
 
恵みの雨よ。

 
 
June 20

豊かな人

 
 
Titan Beyond the Rings Credit Cassini Imaging Team, ISS, JPL, ESA, NASA
 
 
 
心の貧しい人は、
 
それだけで不幸だ。
 
自分のことのみに囚われて、
 
けっきょく自分を知らない。
 
宇宙との親和を知ることもなく、
 
己の貧しさをさらけ出して、
 
人をも不幸にする。
 
この世界の美しさを知らず、
 
醜さばかりを目にしてしまう。
 
見上げれば空は輝いている。
 
遠くには山の木々が息衝いている。
 
雨は自然の循環のままにきらめいている。
 
鳥は歓びを歌っている。
 
花はきらきらと微笑んでいる。
 
豊かな心とは、
 
生命と生命が連動し連携し、
 
ともに結び合っていることを知る、
 
そんな人のものだ。
 
人々の笑顔をつくるのは、
 
そんな人だ。
 
宇宙の一員であると感じる人は、
 
孤独ではない。
 
宇宙の律動を感じる人は、
 
その本質において幸福だ。
 
さあ、みんな。
 
夏に向かおう。
 
まばゆい光の夏に。

 
 
 
June 19

 
 
Possible Jet Blown Shells Near Microquasar Cygnus X-1
 
 
 
希望は、
 
炎の如く燃やさねばならない。
 
希望を、
 
淡い望みにしてはならない。
 
ぼくは、
 
再び立ち上がる。
 
ぼくは人生を振り返ってみた。
 
それは実に浮き沈みの激しいものだった。
 
これからもそうあっていい。
 
安逸や安定は遠く、
 
波乱のドラマの果てに、
 
ぼくは勝利を迎えよう。
 
魂に希望の炎を燃やせ。
 
それはぼく以外の誰にもできない。
 
どんな闇にあっても、
 
炎が燃え立つ瞬間に闇は消える。
 
この炎の如き希望こそが、
 
ぼくを大いなる未来に導く。
 
さあ、出撃だ。
 
幾度も幾度も、
 
過去よりはさらに勇敢に、
 
ぼくは出撃しよう。
 
それこそが、ぼくだ。

 

 

 
June 17

ファイター

 
 
A Solar Prominence from SOHO
 
 
 
オレはファイター。
 
ファイトマネーで食ってきた。
 
からだを張って、
 
いのちをすり減らして、
 
ずいぶん危険な目にもあってきたが、
 
その見返りにじゅうぶん遊んでもきた。
 
いまのオレには観衆もなく、
 
いまのファイトにはマネーもつかない。
 
アイツはもうおわりだと、
 
そんなヤツもいたっけと、
 
誰もが思っていたとしても、
 
そんなことは関係ない。
 

オレはファイター。
 
ほかに生きるすべを知らない。
 
このイバラに身を突っ込みながら、
 
血だらけになってもがいていても、
 
涙を流すヤツもいなくて、
 
あざ笑うヤツは多くて、
 
たった一人の道だと知ってはいるが、
 
両手を挙げて、
 
いつか雄叫びをあげるとき、
 
オレは王者になってやる。
 
この人生はオレのもの。
 
誰にも手渡しはしない。
 
ファイト!
 
オレはそう叫ぶ。
 
オレに向かって叫ぶ。
 
からだの力は失せ、
 
昨日なにをしたのかさえおぼろげで、
 
物忘れもひどくなっているが、
 
だからどうしたっていうんだ。
 
オレは進む。
 
オレはファイター。
 
このいのち尽きるまで。
 
ほかに生きるすべを知らない。
 
それで十分だ。
 
きっと笑って死んでやる。
 
 

 
June 10

雨の日の歌

 
 
Anemic Galaxy NGC 4921 at the Edge
 
 
 
 
こんな雨の日には、
 
何を歌おうか。
 
きみはキーボードをたたく指を休め、
 
海を見ている。
 
ぼくはたばこをくゆらせて、
 
空を見ている。
 
鳥はさえずりをやめて、
 
雨宿りをしている。
 
猫は軒下に寝そべって、
 
目を細めている。
 
花壇の花は雨に濡れたまま、
 
黙っている。
 
リズムを消して、
 
地球は回る。
 
ゆっくりと、
 
時が流れる。
 
街の音はすこし遠くて、
 
いつもと違う静けさが、
 
心を浸す。
 
こんな雨の日には、
 
何を歌おうか。
 
心に尋ねても、
 
返事はなくて。
 
黙ったままでいいさ。
 
雨の日もまたいい。
 
今日は静かに、
 
明日を待てばいい。
 
歌のない日。
 
それは人生の、
 
ほんの小休止。
 
明日からは、
 
心に歌が、
 
また湧き起こるから。
 
 
 
 
 
June 08

学ぶこと

 
 
Inside the Eagle Nebula
 
 
 
学ぶことは楽しい。
 
学ぶことは歓びだ。
 
けれども学ぶことは、
 
ときに大きな困難を伴う。
 
疑問に対して解答が、
 
なかなか出ないときは辛い。
 
そんなときは山を登る決心をして、
 
道なき道を歩む決心をして、
 
ぼくは本を読み続ける。
 
そうして全体像の中に、
 
おぼろげながらひとつの像が、
 
まとまってくるのを待つのだ。
 
とつぜん解答がひらめくときの、
 
歓びは格別だ。
 
何のために学ぶのか。
 
それは宇宙を知りたいからだ。
 
ぼく自身を知りたいからだ。
 
人間を知りたいからだ。
 
未来を知りたいからだ。
 
せめて人類の2000年先は、
 
見通しておきたいからだ。
 
人類が幸福になる道を、
 
どうしても探り、
 
残しておきたいからだ。
 
ただ未来を生きる人々のために,
 
ぼくは生きたいからだ。
 
 
 
 
June 06

前進

 
 
Orion's Belt
 
 
 
ぼくらは進むのだ。
 
後退などはありえない。
 
激しい逆風にあい、
 
足が後ろにずり下がりはじめても、
 
それでも心は前を向き、
 
足は前へと踏み出すのだ。
 
諦めたらおしまいだ。
 
力を失えばおしまいだ。
 
だからいつも心を鍛え、
 
学び、知恵を使い、
 
歩み行くのだ。
 
ぼくらはまだまだ何も知らない。
 
宇宙の大きさに比して、
 
ぼくらはあまりにも学び足りない。
 
その悩みは大きいように思われるが、
 
超えてみれば小さなことに変わる。
 
風はいつか必ず収まる。
 
風はいつか必ず順風に変わる。
 
希望は朽ちない。
 
希望は傷つかない。
 
希望は無限だ。
 
絶望なんかありえない。
 
それは敗北者が、
 
自分を諦めた者が使う言葉だ。
 
勝利は遠くても、
 
負けないことだ。
 
そうすれば勝利の日が来る。
 
間違いなく訪れる。
 
だから、さあ、
 
太陽の行進を。
 
君よ、ぼくよ。
 

 
 
June 03

たまらなくさみしいときは

 
 
IC 1805  The Heart Nebula
 
 
 
さみしいときは泣けばいい。
 
いっぱい泣いてすむのなら。
 
酒を飲んでまぎれるのなら、
 
それもまたいいだろう。
 
けれども泣いてもしようがないときは、
 
酒を飲んでもどうしようもないときは、
 
苦しいほど誰かを想うときは、
 
信じるんだ。
 
理由なんかない。
 
ただ信じるんだ。
 
けっして疑わないことだ。
 
君はひとりじゃないことを。
 
君はひとりじゃない。
 
君を想う誰かがいる。
 
さみしいのは君だけじゃない。
 
同じ想いを抱きながら、
 
みんな耐えているんだよ。
 
なぜ耐えるのか。
 
明日を信じているからだ。
 
君が君を信じれば、
 
明日は輝く。
 
君が君を信じることと、
 
君が明日を信じることは、
 
同じことなんだ。
 
忘れるな。
 
それが真実だってことを。
 
 
 

 
June 02

明日

 
 
Orion Nebula  The Hubble View
 
 
 
子どものころは、
 
明日が待ち遠しくてたまらなかった。
 
大人になるということは、
 
待ち望む明日を失うということなのか。
 
いいや、そうじゃない。
 
ぼくらはいつまでも、
 
明日を待ち望もうじゃないか。
 
待ち望むにふさわしい明日を作るため、
 
今日を生きようじゃないか。
 
死ぬ寸前まで、
 
ぼくはそうしよう。
 
希望は無限だ。
 
明日は希望だ。
 
今日の続きの明日だが、
 
今日とは違う明日がある。
 
明日なにが起きるかを、
 
知ってるやつなんかどこにもいない。
 
そうだとも。
 
明日はいつも未知できらめいている。
 
ぼくらは今日を新鮮に生きるんだ。
 
子どものように、
 
まいにち成長するんだ。
 
そうすれば、
 
明日はもっとすてきだ。
 
迷うこともある。
 
泣くこともある。
 
でも負けないことだ。
 
地面は目のすぐそこにあるが、
 
空は果てなく深い。
 
だから瞳を上げて、
 
空に挑もう。
 
子どものままに、
 
ぼくらはいつまでも。
 
ぼくらはどこまでも。
 
 

 
June 01

信じる

 
 
NGC 604  X-rays from a Giant Stellar Nursery
 
 
 
信じるということは、
 
この不信の時代にあっては、
 
きわめて主体的な意思的な行為となる。
 
ぼくはこの宇宙と己を貫く法則性を信じるが、
 
それはぼくが選び取ったことだ。
 
これまでつねに検証しながら、
 
正しさをより深く確信してきたうえでのことだ。
 
その営為はこれからも続く。
 
 
自分を信じるということは、
 
自分の内に無限の可能性を信じるということは、
 
自分が尊極の存在であることを信じることは、
 
ぼくがまだまだ勝利を手にしていないときにあって、
 
とても難しい。
 
だがそれでもぼくはぼくを信じる。
 
でなければいったい誰がぼくを信じるだろう。
 
まず自分自身を信じよ。
 
そこからすべてははじまる。
 
 
人間を信じることは、
 
他者の中に無限の可能性を信じるということは、
 
すべての人間が尊極の存在であることを信じることは、
 
さらに難しい。
 
だがぼくはそれでも人間を信じる。
 
裏切りを恐れて人間を信じない者は、
 
けっきょくは自分自身をも信じることができない者だ。
 
そのような者は、
 
他者の可能性を引き出すことができないだけではなく、
 
自分の可能性をも引き出すことはできない。
 
信じるということは、
 
信じる対象に、
 
何かを求めることではない。
 
おもねることでもない。
 
それは生を選ぶということだ。
 
 
 
 
May 31

友よ

 
 
Orion's Belt Continued
 
 
 
友よ。
 
君はほんとうによく耐えたな。
 
少し遠くに行ってしまうから、
 
ぼくのバーに訪れる客は少なくなる。
 
君とはよく飲み、よくバカッ話をし、
 
よく笑い、よく泣いた。
 
君は耐えながら、
 
ときに愚癡をいいながら、
 
それでも遅い春をやっとつかんだんだ。
 
元気でやれよ。
 
こっちのことは心配ない。
 
羽を伸ばしすぎるなよ。
 
基本に忠実に、仲間を忘れずに、
 
愛する妻と子どもたちを忘れずに、
 
その場所で戦うんだ。
 
常在戦場というじゃないか。
 
ほんとうの戦いはこれからだ。
 
ほんとうの試練もこれからだ。
 
次に会うときは、
 
ぼくも一回り大きな男になっているだろう。
 
君も逞しくなっていてくれ。
 
人はさみしさに負けたりする。
 
それがただひとつの不安かな。
 
だが恐れず堂々と、
 
君の未来を拓け。
 
徹し抜け。
 
それは君しかできない。
 
戦え、友よ。
 
また会おう。
 
そうしてまたバカッ話をしよう。
 
友よ。
 
君の船出だ。
 
汽笛を鳴らすんだ。
 
 
 
 
 
May 29

安堵

 
 
Unusual Dusty Galaxy NGC 7049
 
 
ああ今日も無事に一日が終わった。
 
そんなふうに思える、
 
数少ない日が今日だった。
 
ぼくは役目を果たし、
 
何ごともなく、
 
みんな笑顔で帰っていった。
 
何ごともない。
 
それが明日を作っていくなんて、
 
いままでは思いもよらなかったけれど、
 
あなたたちの笑顔を見ていると、
 
ぼくはほんとうに、
 
何ごともなく一日が済んだことに、
 
感謝せざるをえない。
 
何ごとも起きない一日をつくるために、
 
ぼくは今日はがんばった。
 
それでいいんだ。
 
世界にはまだまだ、
 
惨劇と悲惨にあふれているけれど、
 
ぼくの周囲だけは、
 
とどこおりなく終わった。
 
おやすみなさい。
 
みんな。
 
愛するひとびとよ。
 
だからぼくもまた、
 
安心して眠ることができるんだ。
 
ありがとう。
 
みんな。
 
ほんとうに、
 
ありがとう。
 
 
 
 
 
May 26

よくばり

 
 
NGC 1579  Trifid of the North
 
 
 
もっとしあわせをと、
 
誰もが願う。
 
哀しみなんかいらないと、
 
誰もが思う。
 
それでいいんだ。
 
そのとおりなんだ。
 
よくばりでいい。
 
でも人を傷つけないように。
 
人を不幸にしないように。
 
じぶんだけのしあわせなんか、
 
どうあがいたってないんだから。
 
お金をもうけたいとか、
 
人の上に立ちたいとか、
 
いい人とめぐり合いたいとか、
 
大きな家に住みたいとか、
 
なんでもいい。
 
望みは大きいほうがいい。
 
よくばりでいい。
 
君は泣かないでくれ。
 
あなたは微笑んでいてくれ。
 
そうでさえあれば、
 
ぼくも泣かないし、
 
ぼくも微笑んでいられるんだ。
 
 
 
 
 
May 25

しあわせ

 
 
Galaxies of the Perseus Cluster
 
 
 
ぼくのしあわせなんか考えなくなったとき、
 
ぼくにしあわせが訪れた。
 
ぼくは健康になり、
 
ぼくは明るくなり、
 
ぼくは楽しくなり、
 
もう、
 
ぼくのことで望むことはない。
 
きみに感謝以外の何を言えるだろう。
 
だからぼくは、
 
残りの人生を、
 
ひとびとのしあわせのために使おう。
 
師の思想と哲学が、
 
正しいことを示すために使おう。
 
勝利することは、
 
ぼくのためではなくて、
 
人類のためだと、
 
ぼくはいま思う。
 
それ以外に、
 
感謝の返しようが、
 
何にもない。
 
人生はすてきだ。
 
ぼくは太陽になるんだ。
 
こんなぼくでも。
 
なれるんだ。
 
 
 
 
 
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Kenji Oka

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東京・横浜で約20年暮らし、いま再び神戸に。

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